涙が薬
人は悲しい時や辛い時に涙を流すものだけど、1人我慢し切れなくて思わず流す涙じゃなく、自分が悲しかった事、辛かった事を人に聞いてもらって、
「そうか。辛かったね。」
って共感して貰えて流す涙は、後ですごく楽になりますよね。
きっとそういう涙は心の傷の薬になるんですね。
私は病院の先生やメガネさんにある話をする時、それまで幾度となく聞いてもらったのにもかかわらず、涙が止まらないです。
ブログでも今までに何度か少しだけ触れてきた内容なのに、6年経った今でも泣けてしまう。
てことは、まだその時の傷は癒せてないんだろうか?と、昨日ふと思いました。
そう、もう6年経ったんですよ。早いなぁ…。
※暗め&長文です。弱ってる方は気分が悪くなったら読むのを中止してくださいね★
あれは6年前の1月のことでした。
私は半年で辞める事になる名古屋市内にある会社の内定をもらい、卒論も提出し、後はしばらく実家で過ごして卒業式を待つばかりでした。
その実家の帰省中に、母は何度目かの――その年最初の――自殺に失敗し、発見した私と父と共に病院から帰ってきて何日か経っていました。
まるでまた我が家に日常が戻ったかのように思われた、ある休日の昼下がりのことです。
私が学生の間に建てられた我が家は、1階にLDKとお風呂、トイレ、あと和室が2部屋あり、2階には兄の部屋、両親の部屋、私の部屋、そしてもう1つトイレがありました。
その日はいつもは休日返上で働く兄も珍しく休みで、自室で自分の時間を過ごしていました。
リビングで私と父は、テレビを観ていました。
母が2階の夫婦の寝室に、自分の部屋にいた兄を呼びつける声が聞こえました。
何か手伝って欲しかったようです。
確か私と父が見ていたのはお笑い番組で、おかしさのあまりゲラゲラ笑っていたのですが、突然2階から叫び声が聞こえて、笑いが凍りつきました。
叫び声は母のものです。
「いやぁぁぁぁ━━━━━━━━!!!!」
私も父も、どれくらい硬直していたでしょうか…。
恐らく何秒かだけのはずですが、すごく長い時間に感じたのを覚えています。
父親は神妙な声で「お前はここにおれ。」と言うと、叫び声が続く2階へと行ってしまいました。
今とっても嫌な事が起きている。
母さんが叫んでいる。
いつもは隣人を気にして大声を出さない母さんが叫んでいる。
とてもとても嫌な事が起きているんだ。
嫌だ。
関わりたくない。
誰か母さんを止めて。
早く止めて。
怖い。
リビングにお笑い番組の笑いが遠くの方で虚しく響いて、私はできるだけ早くその叫び声が止む事を、必死で祈りました。
父の怒鳴る声と兄の懇願するような声が聞こえてきました。
叫び声は相変わらず5.1chで家中に響いています。
母の叫び声が止む事を、誰かが「もう大丈夫だよ」とリビングに降りてきてくれることを祈りました。
私が体を強張らせて待っていると、その声は聞こえてきました。
「殺される━━━━━━━━!!!!誰かぁぁぁ━━━━━━━━!!!!」
殺されるって…。
嫌な予感が大きくなって、胸がチクリと痛みました。
更に兄の声も父の声も、負けじと大きく聞こえてきます。
「助けて━━━━━━━━!!!!」
待っていた私も限界に来ました。
関わりたくないと思っていたのに!!!!
面倒なことは勘弁してくれー!!!
舌打ちしながら急いで2階へと階段を上り、声がする両親の寝室へ向かいました。
そこで見た光景は、今でも忘れられません。
父はベッドに横たわる母の上に馬乗りになり、腕と体全体を押さえつけて、
「ええ加減にせえ!!!」と怒鳴りつけています。
兄は母の手をしっかり握り、
「母さん!!しっかりして!!!俺の目を見て!!!母さん!!!」
と必死で呼びかけています。
母は…。
母は苦しそうな表情でで涙を流しながら頭を激しく振り、
父から解放されようと必死でもがき、何度も自分の手を掴む兄の手を振り払っていました。
目は自分を助けてくれる誰かを探そうとしていました。
「助けて━━━━━━━━!!!!」
「殺される━━━━━━━━!!!!」
一瞬で理解したんです…。
母は父も兄も認識していない。
壊れてしまった…。
映画「エクソシスト」の実写版じゃない限りは。
★ここでjuncoの豆知識★
家族や友人がこんな風になってしまった時は、すぐに病院に連れて行きましょうね♪
119番に電話すればきちんと当直の専門医が診てくれます!
決して我が家のように、自分達で何とかしようとしてはいけませんよ☆
もしいつものパニックだと思っても、病院には行きましょう!
壊れて父のことも兄のことも夫や息子ではなく、知らない大人の男の人に見えているとしたら…。
この状況は非常にマズイ。
と言うか、父も兄もそれに気付いていないのか?!
ホンマに勘弁してくれ~~!!!(;´Д`)と思いながら、急いでベッドの反対側に回り込み、
「父さんどいて!!!!お兄ちゃん!!!!手を離して!!!!」
鋭く叫びました。
父も兄も私の顔を見て唖然としています。
「ええから早くっ!!!!!!!」
馬乗りのまま躊躇っている父の肩を、ドン!と押して母から突き放しました。
「うわぁぁぁぁぁぁー!!!!!」
母が私に抱きついてきました。
父も兄も、呆然と立ち尽くしています。
「殺されるぅぅぅー!!!!!怖いよぉぉぉぉー!!!!!」
「もう大丈夫だから。怖かったね。大丈夫。」
母の背中を撫でて、父と兄に目をやりました。
「どうすればいいの?」と言う顔です。
右手で母の背中を撫でながら、左手で部屋を出て行くように、シッシッと振ろうとした瞬間でした。
「怖かったよー!!!お母さぁーん!!!!うあぁぁぁぁぁー!!!」
私に抱きついている母が、泣きながら言ったのです。
これには参りました…!!!!
お母さんて!!!あたしゃ娘だよ!ヽ(;´Д`)ノ
でもそんなこと言っていられません。
口が( ゚Д゚)ポカーンと開いて閉まらない父と兄に部屋を出て行くように手をヒラヒラさせながら、
「よしよし。怖かったね。大丈夫だから。」
そう言って2人を部屋から追い出しました。
「おがあざぁぁぁぁぁん…」
「うん。もう大丈夫だから。安心していいよー。」
母が泣き止むように、私は母をしっかり抱きしめました。
その間も、頭はこの後どうするべきか、グルグル回ります。
そもそも家族全員を認識できない状態。
しかも私のことを母親と思っている。
そして父と兄を恐れている。
頼れる人がいない。くそ。
…と言うか、壊れた状態から戻るのか?
そもそも何がきっかけで壊れた?
元の状態に戻れるのか?
だとしたらいつ戻る?
もう!どうすりゃいいんだ━━(゚Д゚;)━━━!!!!!
母が泣き止むのを耳を澄まして待っていたのか、父が部屋のドアをそっと開けて覗きこんで来ました。
その瞬間、再び叫び声が家中響き渡ったのです。
「キャ━━━━━━━━ッ!!!!」
母をギュッと抱きしめ、声を落として怒りました。
「出てって・って・言・う・た・や・ろ!(゚Д゚ )」
やってしもた的な顔をしながら、父はすぐにドアを閉めました。
母が私にしがみつき、小刻みに震えています。
この分だと、家の中で普通に過ごす事さえ無理だ…。
しかも、もし元の状態に戻れるとしても、かなり時間がかかる。
とすれば、面倒クサ━━━━━(`Д´)━━━━━ッ!!!だけれども。
母に笑顔を向けて、とても楽しくて素敵な事を提案するかのように、優しくゆっくり言いました。
「さっきの人が来ない、怖くないお部屋に行こうか。そこなら大丈夫だよ?
私の部屋だから、他の人は来ないよ。どうしようか?行く?」
母が私を見つめます。
泣き腫らした目で真っ直ぐ、そう、まるで子供が母親を見るように。
崖っぷちに立たされたような心境を押し殺し、笑顔で母を見つめ返しました。
確か…。
人を安心させる笑顔は、口を閉じ、口の端を自然に少し持ち上げ、眉は少し上がる程度、目はやや細め。
笑い方は全てこの母親から教わった。
私を「お母さん」と呼ぶ母は、私の目をしばらく見つめた後、コクリと静かに頷きました。
「よし♪じゃあ2人で私の部屋に行こうかっ!さあ!手を出して!」
そっと出された母の手を握ると、母は両手で私の手をぎゅうっと握り返し、不安そうな表情で私の顔を覗き込みます。
ニッコリ微笑んで、母の手をしっかり握り、
「大丈夫。さ、行こ?」
そう言って、私はピクニックに行くような足取りで鼻歌を歌い、母を部屋から連れ出し、すぐ隣の私の部屋へと連れて行きました。
それだけの距離でも、母にはとても恐ろしい洞窟を潜り抜けるほどの恐怖だったようです。
閉めたドアの方を、怯えた目で見つめていました。
私は鼻歌交じりで床にクッションを置き、「さ♪そこに座って♪」と言ってゆっくり座らせ、ベッドから毛布を引き剥がし、その毛布で母親をそっとくるみました。
「寒い?」
「ううん。」
「怖い?」
「……。」
「さっきは怖かったからしょうがないね。もう大丈夫だから。
私の部屋には私以外入って来いひんから。
今夜はここで一緒に寝よう。そしたら怖くないよね?」
「……。」
「よし!じゃあ、今からさっきの人達に、しっかり怒ってくるわ。
そしたらこれから絶対、もう怖い思いせんで大丈夫やろ?
ここで1人で待てる?どう?」
しばらく悩んだ母は、下を向いて小さく頷きました。
「良かった。ここは私以外は入って来ないから安心してね。
あと、何かあったら、すぐに呼ぶんやで。ビューンて飛んでくるからね。」
毛布から顔だけ出している母が、黙って頷きました。
母の腕をそっと撫でて、ドアを閉め、両手に顔をうずめました。
泣きたい。
泣き崩れたい。
疲れた。
でも今ここで倒れるわけにはいかない。
まず何があったのか2人に聞いて、元に戻る糸口を探さなければ。
そして、これからどうするべきか話し合わなければ。
そうです。
見事に、家族だけで解決しようとしか思いつかなかったんです。
なぜなら、今まで何があっても、「家族の恥を外に漏らすのはいけない」という当然の密約みたいなものを心にしっかり植えつけられていたからでもあるし、どんな大変な事態も家族で解決できない問題は無いとしか思えない状態にあったからでもあります。
それは機能不全家族の特徴である、家庭は密室であるべきだという傾向と、家庭内の問題の大きさの現実から目を逸らしてしまう逃避の傾向です。
もし私がこの時、今現在の私の思考回路を持っていたなら――。
最初の叫び声が聞こえた時に、すぐ2階へと駆け上がっていたでしょう。
私を母親と思い込んで抱きついてきた自分の母を抱きしめながら、父と兄に救急車を呼ぶように言うでしょう。
そして最も頼るべきだった精神科医の先生に事情を話し、母の夫である父に、母のことを任せたことでしょう。
ですが残念なことに、私の今の考え方は、時間をかけて、健康な精神を持ったメガネさんを参考にして少しずつ築き上げてきたもので、振り返ってもどうしようもないことです。
例え、この頃のことを思い出す度に、胸が痛んで涙が出てきても、過去は変えられませんもんね。
それにもっと悲しいことも、私ではどうすることもできないことです。
私以外の家族はその当時と何も変わっていないということ。
変わっていない以上に、私が密室だった家庭に風穴を開けたことで家族は全員怒り、より頑固に、家族の機能を不自然な形で保ち続けようと努力するようになってしまいました。
悲しいことであり、情けないことであり、腹立たしいことであり、また、仕方がないこと。
だから今の私は、家族との絶縁が必要だという答えを出したわけで――
って、かなり話が脱線しましたね。(゚Д゚;)
そして話が半分でも、充分過ぎる位の内容の暗さと長さ!!!!!∑( ̄□ ̄;)ナント!!
今日はこれ位で、続きはまた後ほど…。
気が向いた時にでも。(コラ)
今からハーゲンダッツでも食べて、幸せに浸ります(・∀・)v (←ただ小腹が減っただけ…)
★今日の幸せになるヒント★ “119番をためらうことなかれ!!!!!”
コメント
juncoさん、頑張ったね。
よく頑張ったね。
その時行動したことは、間違ってないよ。juncoさんの、精一杯の行動、賞賛していいくらいだよ。
がんばったね。よくやったと思うよ。
機能不完全な密室での家族。私も経験あるよ・・・・・・・辛かったね。苦しかったよね。
投稿者: にょんにょん | 2006年02月25日 01:03
今朝、かなり嫌なことがありました。こちらも母の年中行事です。今回は新しいオプションが加わり、大声で「南妙法蓮華経」と叫んでいました。それでも祈りが足りないと、父にもそうするように叫んでいました。ひさしぶりにパニ太がきました。でもソラナックスのんで、車で晴れた外にでて、おいしいカレーを食べて(かわいい店員さんに見とれて)、酒飲んで、今はすっきりしています。juncoさんのご紹介の『毒になる親』を読んで、納得しまくりです。機能不全の回路をどうやって絶つか、確実な歩みに向けて模索中です。juncoさんもどんどん踏み出してってくださいね(^-^)
投稿者: しろくま | 2006年02月25日 16:44
涙が薬って当たりだと思います
軽く暴露すると
生きるのがしんどい
どうやって生きていけばいい
何を信じればいいんだって思ってたんですが
まあ、ギュッとされたんですよ・・・
その瞬間一人で泣いてるよりもわんわん泣きました
ああ、もういいんだなって思いました
それからですね
整理が出来る事ができたり
そんな話です
投稿者: kelly | 2006年02月28日 06:01
<にょんにょんさんへ>
>がんばったね。よくやったと思うよ。
うう(;つД`)
にょんにょんさん、励ましありがとうございます!
当時はもう、その日をどう乗り越えるしか考えられなくて、
怖くて仕方がなかったですね…。
>機能不完全な密室での家族。私も経験あるよ・・・・・・・辛かったね。苦しかったよね。
そうですか。にょんにょんさんもですか…。
密室のあの息苦しさは、本当に耐え難いですよね…。(;´Д`)
風穴バンザイ!!!!
投稿者: junco | 2006年03月01日 10:58
<しろくまさんへ>
>今朝、かなり嫌なことがありました。こちらも母の年中行事です。
本当にお疲れ様です!!!!!ヽ(;´Д`)ノ
お互いあれですね…。年中行事は勘弁して欲しいですよね。
しろくまさんのお母さんの新しいオプションがかなりマイ・デンジャラス・マミーと近いのでビックリしました。
>juncoさんのご紹介の『毒になる親』を読んで、納得しまくりです。
本当に、私も何度読んでも納得しまくりです!!
しかも、抜け出そうとしているあなたが一番勇気を持っている…みたいなことを書いてあるのが、とても嬉しいですよね。
自分の勇気を褒めながら、連鎖を切っていけますように★
投稿者: junco | 2006年03月01日 11:05
<KELLYへ>
>その瞬間一人で泣いてるよりもわんわん泣きました
>ああ、もういいんだなって思いました
そっか…。そんなことがあったのね。
大変だったね。
でも良かった。
もう1人で苦しまないでね。
投稿者: junco | 2006年03月01日 11:07